2007年6月29日(金)16:53

ポーランドは新たなEU条約を部分的に問題視

ワルシャワ/ベルリン(AFP)

ポーランド政府は、ブリュッセルEU首脳会議で難航の末に合意された新たなEU条約について、部分的に疑問を投げかけた。ヤロスワフ・カチンスキ首相は、多数決決定を一時的に阻止できるよう加盟国に少数派阻止権を認めた、いわゆるイオアニナの妥協を明確にするよう求めた。ポーランド政府によれば、ポーランドは首脳会議の席で、最長2年間まで決定を凍結できるとの保証を口頭で得たという。しかし首脳会議の文書には「適切な期間」としか記されていない。任期を終えるドイツEU議長国筋はポーランドの批判を退けた。

「私たちは、期限が最長2年まで認められると口頭で合意した」とカチンスキ首相は強調した。「この問題は政府協議で調整しなくてはならない。」その後カチンスキ首相は譲歩し、首脳会議で合意された妥協案の再交渉は議論にのぼらないと述べた。「私たちは何ひとつ再交渉する必要はない」。これからは「正確化を図る部分」を含め、すべてを文書化しなければならない、と首相は語った。

先週の首脳会議は、とりわけポーランドがEU内の自国の影響力低下を恐れ、加盟国への票配分の問題で抵抗したため、決裂寸前に追い込まれた。そのため、ポーランドに配慮して、「二重多数決制」の導入を2014年以降、移行期間を含めれば2017年まで延期するよう、票決手続きを修正した。

ポーランドは首脳会議でとりわけ「イオアニナの妥協」の復活を勝ち得た。これは、EU加盟国が多数決決定を拒否し、相応の決定阻止少数派を形成したならば、欧州理事会は適当な期限内に満足の行く解決を図るよう全力を尽くさねばならないというものである。

首脳会議の結果は「全会一致で採択」された。全加盟国の一致で決められた政府間協議への委託は政府間協議の基礎である、と金曜日ドイツ議長国筋は伝えた。

日曜日にドイツから今年下半期のEU議長職を引き継ぐポルトガルは、鎮静化を図る姿勢を示した。ジョゼ・ソクラテス首相はリスボンで、私は首脳会議の合意を明確化するよう求めたポーランドの要求は「誤解」であり、「すぐに解消」されると考えている、と語った。同じくリスボンに滞在中の欧州議会のハンスゲルト・ペッタリング議長(キリスト教民主同盟)は、ポーランド政府の要求は「まったくの矛盾」であり「受け容れ難い」と述べた。

原題:Polen stellt neuen EU-Vertrag teilweise in Frage




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